ELECTRON MICROSCOPIC STUDIES ON HISTOGENESIS OF TESTICULAR TUMORS
Kazuhiro Satoh, Seiichi Orikasa
Abstract
Kazuhiro Satoh, Seiichi Orikasa
Abstract
精巣腫瘍の組織発生に関する研究の一環として, 30例の精巣胚細胞性腫瘍の透過性電顕による観察を行なった.腫瘍細胞の核小体は一般に良く発達し, 核小体糸が糸まき状を呈し明瞭である. 核辺縁の形態は seminoma 系では平滑であり, 非 seminoma 系では不整である傾向がみられ, ことに embryonal carcinoma の核は分葉状を呈するものが多くみられた. seminoma 系の一部の症例では核の異型性が目立ち, これは“anaplastic seminoma”の微細構造上の特徴と思われた. クロマチンは seminoma 系では核内に一様に分布し, 非 seminoma 系では所々凝集してみられる傾向があった.基底膜様物質は seminoma 系では半数の症例にみられたが, 非 seminoma 系ではことに yolk sac tumor において細胞内外に豊富にみられ yolk sac tumor の微細構造上の特徴と思われた.精細管内異型精細胞は光顕観察上6例においてみられ, 3例は電顕的にも観察しえた.正常精細胞と腫瘍細胞の形態を比較すると, seminoma 系では核, 細胞質小器官の一部に精細胞と近似した構造がみられ, 全体の構造としては報告されているヒトの gonocyte に類似していると思われた. 一方非 seminoma 系では精細胞との近似点を見出す事は困難であり, また今回観察した embryonal carcinoma と, 報告されているヒトの primordial germ cell の形態には差異がみられた.以上より微細構造上も seminoma 系, 非 seminoma 系は異なる点が多いが, その組織発生に関しては最近の精細管内異型精細胞に関する考え方もとり入れて再検討を要すると思われた.
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精巣腫瘍の組織発生に関する研究の一環として, 30例の精巣胚細胞性腫瘍の透過性電顕による観察を行なった.腫瘍細胞の核小体は一般に良く発達し, 核小体糸が糸まき状を呈し明瞭である. 核辺縁の形態は seminoma 系では平滑であり, 非 seminoma 系では不整である傾向がみられ, ことに embryonal carcinoma の核は分葉状を呈するものが多くみられた. seminoma 系の一部の症例では核の異型性が目立ち, これは“anaplastic seminoma”の微細構造上の特徴と思われた. クロマチンは seminoma 系では核内に一様に分布し, 非 seminoma 系では所々凝集してみられる傾向があった.基底膜様物質は seminoma 系では半数の症例にみられたが, 非 seminoma 系ではことに yolk sac tumor において細胞内外に豊富にみられ yolk sac tumor の微細構造上の特徴と思われた.精細管内異型精細胞は光顕観察上6例においてみられ, 3例は電顕的にも観察しえた.正常精細胞と腫瘍細胞の形態を比較すると, seminoma 系では核, 細胞質小器官の一部に精細胞と近似した構造がみられ, 全体の構造としては報告されているヒトの gonocyte に類似していると思われた. 一方非 seminoma 系では精細胞との近似点を見出す事は困難であり, また今回観察した embryonal carcinoma と, 報告されているヒトの primordial germ cell の形態には差異がみられた.以上より微細構造上も seminoma 系, 非 seminoma 系は異なる点が多いが, その組織発生に関しては最近の精細管内異型精細胞に関する考え方もとり入れて再検討を要すると思われた.
Key concepts: Seminoma, Embryonal carcinoma, Histogenesis, Dysgerminoma, Yolk sac, Pathology, Medicine, Biology