1959•THE JOURNAL OF THE STOMATOLOGICAL SOCIETY JAPANOpen access

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根本 元

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Abstract

1.口腔のNeisseria, Veillonella, 耐塩性Micrococciおよび過酸化水素産生菌についてその数的地位, 菌数変動範囲, 口腔現症との関係およびこれ等細菌相互の関係を研究した。2.数的な出現順序は過酸化水素産生菌>Ne-isseria>Veillonella>耐塩性Micrococciとなり, 63名の学童に関する測定からそれぞれの平均値として7.927, 6.900, 6.280, 3.200が得られた。また各細菌種の平均菌数変動範囲の大きさはその数的出現順序の逆であつて平均菌数の高い菌種程そのInter-individual fluctuationの減少する傾向が認められた。3.残存するウ蝕歯数と上記4種の細菌数の関係は次のごとくであつた。すなわちcaries activeの口腔におけるこれら等4種の平均菌数は何れもCaries inactiveのそれより高いcountを示したが統計的に有意差の証明されたものはVeillonella (α=0.01) の場合のみで, 過酸化水素産生菌Neisseriaおよび耐塩性Micaococciの場合には有意差は証明されずしたがつて口腔の好気性菌の一つであるNeisseriaがより好気的な条件を有するCaries inactiveの口腔に多いというEggers-Luraからの予想は実証されなかつた。4.上記4種の細菌数を8名の被験者について各人約20回の測定から個々の細菌数のIntraindividual fluctuationが集団的に観た場合の個人平均値の変動量に近い値を示すことを知つた。5.しかしながら各種細菌数の出現順序は各人一様でありしかも各個人について個々の細菌数の平均値の間には統計的な有意差が認められた。6.1種類の細菌数を個々の人で比較した場合, 有意な個人差が認められるに拘らず個々の口腔に於ける各種細菌の菌数分布には類型があり, 8名の被験者について4型に類別された。7.以上のごとく個々の細菌の量的な差異や各種細菌の量的比率の違いがあつても1種類の細菌数の多寡は他種細菌の多寡と大体平行していることが認められ, このような菌種相互の相関係数を求めた結果, 過酸化水素産生菌とVeillonella, 過酸化水素産生菌と耐塩性MicrococciおよびVeillonellaと耐塩性Micrococciとの間には有意な相関係数が得られ (それぞれ+0.917, +0.848, +0.752) , これら3種類の細菌の間には何れも絶対的または相対的な相互依存性のあることが証明された。しかしながらNeisseriaと他の3種類の細菌との間には何れも有意な相関関係は認められなかつた。8.過酸化水素産生菌は他の3種類の細菌との間に何れも正の相関のあることが証明され, したがつて自己の産生する過酸化水素によつて過酸化水素産生菌が他種細菌の発育を阻害するという在来の考え方は否定された。9.以上の結果について考察を加えた。

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1.口腔のNeisseria, Veillonella, 耐塩性Micrococciおよび過酸化水素産生菌についてその数的地位, 菌数変動範囲, 口腔現症との関係およびこれ等細菌相互の関係を研究した。2.数的な出現順序は過酸化水素産生菌>Ne-isseria>Veillonella>耐塩性Micrococciとなり, 63名の学童に関する測定からそれぞれの平均値として7.927, 6.900, 6.280, 3.200が得られた。また各細菌種の平均菌数変動範囲の大きさはその数的出現順序の逆であつて平均菌数の高い菌種程そのInter-individual fluctuationの減少する傾向が認められた。3.残存するウ蝕歯数と上記4種の細菌数の関係は次のごとくであつた。すなわちcaries activeの口腔におけるこれら等4種の平均菌数は何れもCaries inactiveのそれより高いcountを示したが統計的に有意差の証明されたものはVeillonella (α=0.01) の場合のみで, 過酸化水素産生菌Neisseriaおよび耐塩性Micaococciの場合には有意差は証明されずしたがつて口腔の好気性菌の一つであるNeisseriaがより好気的な条件を有するCaries inactiveの口腔に多いというEggers-Luraからの予想は実証されなかつた。4.上記4種の細菌数を8名の被験者について各人約20回の測定から個々の細菌数のIntraindividual fluctuationが集団的に観た場合の個人平均値の変動量に近い値を示すことを知つた。5.しかしながら各種細菌数の出現順序は各人一様でありしかも各個人について個々の細菌数の平均値の間には統計的な有意差が認められた。6.1種類の細菌数を個々の人で比較した場合, 有意な個人差が認められるに拘らず個々の口腔に於ける各種細菌の菌数分布には類型があり, 8名の被験者について4型に類別された。7.以上のごとく個々の細菌の量的な差異や各種細菌の量的比率の違いがあつても1種類の細菌数の多寡は他種細菌の多寡と大体平行していることが認められ, このような菌種相互の相関係数を求めた結果, 過酸化水素産生菌とVeillonella, 過酸化水素産生菌と耐塩性MicrococciおよびVeillonellaと耐塩性Micrococciとの間には有意な相関係数が得られ (それぞれ+0.917, +0.848, +0.752) , これら3種類の細菌の間には何れも絶対的または相対的な相互依存性のあることが証明された。しかしながらNeisseriaと他の3種類の細菌との間には何れも有意な相関関係は認められなかつた。8.過酸化水素産生菌は他の3種類の細菌との間に何れも正の相関のあることが証明され, したがつて自己の産生する過酸化水素によつて過酸化水素産生菌が他種細菌の発育を阻害するという在来の考え方は否定された。9.以上の結果について考察を加えた。

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1.口腔のNeisseria, Veillonella, 耐塩性Micrococciおよび過酸化水素産生菌についてその数的地位, 菌数変動範囲, 口腔現症との関係およびこれ等細菌相互の関係を研究した。2.数的な出現順序は過酸化水素産生菌>Ne-isseria>Veillonella>耐塩性Micrococciとなり, 63名の学童に関する測定からそれぞれの平均値として7.927, 6.900, 6.280, 3.200が得られた。また各細菌種の平均菌数変動範囲の大きさはその数的出現順序の逆であつて平均菌数の高い菌種程そのInter-individual fluctuationの減少する傾向が認められた。3.残存するウ蝕歯数と上記4種の細菌数の関係は次のごとくであつた。すなわちcaries activeの口腔におけるこれら等4種の平均菌数は何れもCaries inactiveのそれより高いcountを示したが統計的に有意差の証明されたものはVeillonella (α=0.01) の場合のみで, 過酸化水素産生菌Neisseriaおよび耐塩性Micaococciの場合には有意差は証明されずしたがつて口腔の好気性菌の一つであるNeisseriaがより好気的な条件を有するCaries inactiveの口腔に多いというEggers-Luraからの予想は実証されなかつた。4.上記4種の細菌数を8名の被験者について各人約20回の測定から個々の細菌数のIntraindividual fluctuationが集団的に観た場合の個人平均値の変動量に近い値を示すことを知つた。5.しかしながら各種細菌数の出現順序は各人一様でありしかも各個人について個々の細菌数の平均値の間には統計的な有意差が認められた。6.1種類の細菌数を個々の人で比較した場合, 有意な個人差が認められるに拘らず個々の口腔に於ける各種細菌の菌数分布には類型があり, 8名の被験者について4型に類別された。7.以上のごとく個々の細菌の量的な差異や各種細菌の量的比率の違いがあつても1種類の細菌数の多寡は他種細菌の多寡と大体平行していることが認められ, このような菌種相互の相関係数を求めた結果, 過酸化水素産生菌とVeillonella, 過酸化水素産生菌と耐塩性MicrococciおよびVeillonellaと耐塩性Micrococciとの間には有意な相関係数が得られ (それぞれ+0.917, +0.848, +0.752) , これら3種類の細菌の間には何れも絶対的または相対的な相互依存性のあることが証明された。しかしながらNeisseriaと他の3種類の細菌との間には何れも有意な相関関係は認められなかつた。8.過酸化水素産生菌は他の3種類の細菌との間に何れも正の相関のあることが証明され, したがつて自己の産生する過酸化水素によつて過酸化水素産生菌が他種細菌の発育を阻害するという在来の考え方は否定された。9.以上の結果について考察を加えた。

Key concepts: Veillonella, Neisseria, Microbiology, Biology, Bacteria, Paleontology, Streptococcus

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