Studies on the Curd Tension and Salt Balance in Abnormal Milk (Part II)
宮辺 豊紀, 大平 伸夫
Abstract
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宮辺 豊紀, 大平 伸夫
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本研究の異常乳とは搾乳直後の新鮮乳であるにも拘わらずアルコールテストによって乳凝固を引き起こすアルコール不安定乳の略称である。1) 異常乳のcurd tensionを殆んど0にするためにはmetaまたはpyrophosphateを約180mg%加えてやる必要があった。これに反して正常乳では約80mg%の添加で完全に0となった。すなわち異常乳は正常乳の約2倍以上の燐酸塩の添加量を必要とした。またpyrophosphateの場合はmetaphosphateの場合より約20~40mg%だけ多く加えないとcurd tensionは殆んど0にならなかった。Curd tensionの低下曲線は互いによく似ていた。2) Metaphosphateの添加量1mg当たりのカゼイン1gの結合カルシウムの増加量 (絶対量mg) は異常乳が7.5×10-2, 正常乳4.4×10-2で前者は後者の約1.7倍だけ多く結合し, pyrophosphateの同じカルシウム結合量 (mg) は異常乳が6.2×10-2, 正常乳が3.1×10-2を示し, 約2.0倍だけ多く結合した。そしてmetaphosphateの場合はpyrophosphateの場合より約20%だけ多くカルシウムを結合した。3) Metaphosphateの添加量1mg当たりのカゼイン1gの燐結合量 (mg) は異常乳が約15.0×10-2, 正常乳が17.8×10-2で約0.85倍の減少を示し, pyrophosphateの同じ燐結合量 (mg) は異常乳が11.0×10-2正常乳13.8×10-2で約0.79倍の減少を示した。そしてmetaphosphateの場合はpyrophosphateの場合よりも約25%だけ燐を多く結合した。4) すなわち自然状態における異常乳のカゼイン粒子は正常乳のそれよりも, これら燐酸塩の添加により燐の結合能よりもカルシウムの結合能が強く, カルシウムイオンを減少させ, 非解離性の複合体を形成した。正常乳ではこれとは逆の現象を示すので, カゼインの結合Ca: Pの比率の低下は極めて顕著でcurd tensionも急速に0に近づき, 異常乳より少量の燐酸塩の添加によって早くsoft curd milkになることが認められた。異常乳では燐酸塩添加前の当初から既に多量の燐を結合していたので, 結合Ca: Pの比率も初めから低く, curd tensionの低下も緩慢で, 正常乳に比べてsoftcurd milkになり難かった。すなわち正常乳における燐酸塩の添加によるcurd tensionの急速な低下とカゼイン結合のCa: Pの比率の低下とは相応していることが認められた。
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本研究の異常乳とは搾乳直後の新鮮乳であるにも拘わらずアルコールテストによって乳凝固を引き起こすアルコール不安定乳の略称である。1) 異常乳のcurd tensionを殆んど0にするためにはmetaまたはpyrophosphateを約180mg%加えてやる必要があった。これに反して正常乳では約80mg%の添加で完全に0となった。すなわち異常乳は正常乳の約2倍以上の燐酸塩の添加量を必要とした。またpyrophosphateの場合はmetaphosphateの場合より約20~40mg%だけ多く加えないとcurd tensionは殆んど0にならなかった。Curd tensionの低下曲線は互いによく似ていた。2) Metaphosphateの添加量1mg当たりのカゼイン1gの結合カルシウムの増加量 (絶対量mg) は異常乳が7.5×10-2, 正常乳4.4×10-2で前者は後者の約1.7倍だけ多く結合し, pyrophosphateの同じカルシウム結合量 (mg) は異常乳が6.2×10-2, 正常乳が3.1×10-2を示し, 約2.0倍だけ多く結合した。そしてmetaphosphateの場合はpyrophosphateの場合より約20%だけ多くカルシウムを結合した。3) Metaphosphateの添加量1mg当たりのカゼイン1gの燐結合量 (mg) は異常乳が約15.0×10-2, 正常乳が17.8×10-2で約0.85倍の減少を示し, pyrophosphateの同じ燐結合量 (mg) は異常乳が11.0×10-2正常乳13.8×10-2で約0.79倍の減少を示した。そしてmetaphosphateの場合はpyrophosphateの場合よりも約25%だけ燐を多く結合した。4) すなわち自然状態における異常乳のカゼイン粒子は正常乳のそれよりも, これら燐酸塩の添加により燐の結合能よりもカルシウムの結合能が強く, カルシウムイオンを減少させ, 非解離性の複合体を形成した。正常乳ではこれとは逆の現象を示すので, カゼインの結合Ca: Pの比率の低下は極めて顕著でcurd tensionも急速に0に近づき, 異常乳より少量の燐酸塩の添加によって早くsoft curd milkになることが認められた。異常乳では燐酸塩添加前の当初から既に多量の燐を結合していたので, 結合Ca: Pの比率も初めから低く, curd tensionの低下も緩慢で, 正常乳に比べてsoftcurd milkになり難かった。すなわち正常乳における燐酸塩の添加によるcurd tensionの急速な低下とカゼイン結合のCa: Pの比率の低下とは相応していることが認められた。
Key concepts: Metaphosphate, Pyrophosphate, Chemistry, Nuclear chemistry, Salt (chemistry), Food science, Biochemistry, Phosphate