抑うつエピソードを伴う双極I型障害患者に対する lurasidone 単剤治療:ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験
加藤忠史, 純 石郷岡, 宮島真理, ほか
Abstract
加藤忠史, 純 石郷岡, 宮島真理, ほか
Abstract
目的:米国及び欧州を中心に実施された先行試験により,双極Ⅰ型障害の抑うつ症状に対する lurasidone 20 ~ 120mg/日による治療の有効性,安全性が実証されている。本試験は,日本人を含む多様な民族的背景を持つ双極Ⅰ型障害患者の抑うつ症状に対する lurasidone 単剤療法の有効性及び安全性を評価することを目的とした。方法:被験者は lurasidone 20~60mg/日群(184名),80~120mg/日群(169名)又はプラセボ群(172名)のいずれかにランダムに割り付けられ,二重盲検下で 6 週間投与された。主要評価項目は,投与 6 週時の Montgomery-Asberg うつ病評価尺度(MADRS)合計スコアのベースラインからの変化量とした。結果:投与 6 週時の MADRS 合計スコアのベースラインからの変化量はプラセボ群(-10.6)と比較して,lurasidone 20~60mg/日群では有意に低下したが(-13.6,調整p =0.007,効果量=0.33),lurasidone 80~120mg/日群では有意な低下は認められなかった(-12.6,調整 p =0.057,効果量=0.22)Lurasidone 20~60mg/日群では MADRS 治療反応率,社会機能障害,不安症状も改善した。Lurasidone 投与時に発現した主な有害事象はアカシジアと悪心であった。Lurasidone 投与による体重,脂質,血糖コントロール値に関連するパラメータの変化はわずかであった。結論:Lurasidone 20~60mg/日の 1 日 1 回投与による単剤療法は双極Ⅰ型障害患者の抑うつ症状及び社会機能障害を有意に改善したが,lurasidone 80~120mg/日群では有意な改善が認められなかった。本試験結果はこれまでの試験結果と概ね一貫しており,日本人を含む多様な民族的背景を持つ双極Ⅰ型障害患者に対して lurasidone 20~60mg/日による治療が有効かつ安全であることが示唆された。臨床試験登録:Clinical trials.gov 番号 NCT01986101 臨床精神薬理 24:387-405, 2021 Key words ::antipsychotic agents, bipolar disorder, depressive disorder, lurasidone hydrochlo ride
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目的:米国及び欧州を中心に実施された先行試験により,双極Ⅰ型障害の抑うつ症状に対する lurasidone 20 ~ 120mg/日による治療の有効性,安全性が実証されている。本試験は,日本人を含む多様な民族的背景を持つ双極Ⅰ型障害患者の抑うつ症状に対する lurasidone 単剤療法の有効性及び安全性を評価することを目的とした。方法:被験者は lurasidone 20~60mg/日群(184名),80~120mg/日群(169名)又はプラセボ群(172名)のいずれかにランダムに割り付けられ,二重盲検下で 6 週間投与された。主要評価項目は,投与 6 週時の Montgomery-Asberg うつ病評価尺度(MADRS)合計スコアのベースラインからの変化量とした。結果:投与 6 週時の MADRS 合計スコアのベースラインからの変化量はプラセボ群(-10.6)と比較して,lurasidone 20~60mg/日群では有意に低下したが(-13.6,調整p =0.007,効果量=0.33),lurasidone 80~120mg/日群では有意な低下は認められなかった(-12.6,調整 p =0.057,効果量=0.22)Lurasidone 20~60mg/日群では MADRS 治療反応率,社会機能障害,不安症状も改善した。Lurasidone 投与時に発現した主な有害事象はアカシジアと悪心であった。Lurasidone 投与による体重,脂質,血糖コントロール値に関連するパラメータの変化はわずかであった。結論:Lurasidone 20~60mg/日の 1 日 1 回投与による単剤療法は双極Ⅰ型障害患者の抑うつ症状及び社会機能障害を有意に改善したが,lurasidone 80~120mg/日群では有意な改善が認められなかった。本試験結果はこれまでの試験結果と概ね一貫しており,日本人を含む多様な民族的背景を持つ双極Ⅰ型障害患者に対して lurasidone 20~60mg/日による治療が有効かつ安全であることが示唆された。臨床試験登録:Clinical trials.gov 番号 NCT01986101 臨床精神薬理 24:387-405, 2021 Key words ::antipsychotic agents, bipolar disorder, depressive disorder, lurasidone hydrochlo ride
Key concepts: Lurasidone, Medicine, Internal medicine, Antipsychotic, Psychiatry, Schizophrenia (object-oriented programming)