1976THE JOURNAL OF THE STOMATOLOGICAL SOCIETY JAPANOpen access

Enzymatic Histochemical Studies on Primary Culture Cells from Oral Mucosa and Oral Neoplastic Tissues

Masanao Iwata

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Abstract

初代組織片培養を応用し, ヒト口蓋裂縁部粘膜上皮由来の増殖能を有する初代培養細胞 (以下NC-in vitroと略す) を対照とし, 同じ増殖の場で腫瘍組織由来の初代培養細胞 (以下TC-in vitroと略す) を酵素組織化学的に比較検索し, 腫瘍の自律性増殖を担うと考えられているTC-in vitroについて, その増殖における酵素組織化学的特徴の解明を目指して検索し, 以下の結果を得た。研究材料としては口蓋裂患者20症例の口蓋形成手術時に切除された裂縁部粘膜と, 腫瘍患者28症例の手術摘出物, 試験切除片より得られた新鮮腫瘍組織を用いた。腫瘍症例の内訳は, 多形性腺腫8例, エナメル上皮腫7例, 扁平上皮癌10例, 粘表皮腫2例, 腺様嚢胞癌1例であった。培養法は直接カバーグラス法により, 培養液は20%仔牛血清を添加したEagle MEMを用い, 37℃のCO2培養器にて培養を行った。なお一部は8μの凍結切片にしてin vivoの観察に供した。NC-in vitroは培養開始4日目頃より15日目頃まで経日的に組織化学的検索を行ったが, TC-in vitroは遊出開始8日目頃に検索を行った。NC-in vitroではSDH, MDH活性の経日的推移はその増殖能の推移と相関していたが, TC-in vitroでは, 分裂指数 (以下M.I.と略す) との関連性は認められなかった。なお悪性腫瘍組織由来の細胞では, SDH, MDH活性はNC-in vitroに比べ減弱し, 特にSDHは顕著であった。LDH活性はNC-in vitroではその増殖能の推移とは相関を示さず, TC-in vitroにおいてもM.I.との関連性は認められなかった。NC-in vitroに比べTC-in vitroでLDH活性が増強するような傾向は認められなかった。Phosphorylase活性はTC-in vivoで必ず認められるということはなく, TC-in vitroにおいても, M.I.が高い値を示す症例でも認められないものもあった。glycogen顆粒は扁平上皮癌組織in vitroで認められた症例もあったが, 他のTC-in vitroではなかった。G-6-PDH活性はNC-in vitroに比べTC-in vitroでは高い傾向を示したが, 増殖能との関連性は認められなかった。NC-in vitroにおけるAc-p活性の経日的推移では, 移植組織片に近いほど, そのピークが遅くなった。Al-p活性はin vitroにおいて多形性腺腫, 腺様嚢胞癌各1例に認められた。in vitroの線維芽様細胞は, 正常間質由来のものと腫瘍間質由来のものとに大差なかった。しかしin vivo中にはないAl-p, SDH, G-6-PDH活性が認められた。粘表皮腫の粘液細胞はin vivoにおいてエネルギー代謝系の酵素活性をほとんど持っていないがin vitro中にも出現し, 経日的にその扁平上皮様細胞に対する比率が増加した。

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初代組織片培養を応用し, ヒト口蓋裂縁部粘膜上皮由来の増殖能を有する初代培養細胞 (以下NC-in vitroと略す) を対照とし, 同じ増殖の場で腫瘍組織由来の初代培養細胞 (以下TC-in vitroと略す) を酵素組織化学的に比較検索し, 腫瘍の自律性増殖を担うと考えられているTC-in vitroについて, その増殖における酵素組織化学的特徴の解明を目指して検索し, 以下の結果を得た。研究材料としては口蓋裂患者20症例の口蓋形成手術時に切除された裂縁部粘膜と, 腫瘍患者28症例の手術摘出物, 試験切除片より得られた新鮮腫瘍組織を用いた。腫瘍症例の内訳は, 多形性腺腫8例, エナメル上皮腫7例, 扁平上皮癌10例, 粘表皮腫2例, 腺様嚢胞癌1例であった。培養法は直接カバーグラス法により, 培養液は20%仔牛血清を添加したEagle MEMを用い, 37℃のCO2培養器にて培養を行った。なお一部は8μの凍結切片にしてin vivoの観察に供した。NC-in vitroは培養開始4日目頃より15日目頃まで経日的に組織化学的検索を行ったが, TC-in vitroは遊出開始8日目頃に検索を行った。NC-in vitroではSDH, MDH活性の経日的推移はその増殖能の推移と相関していたが, TC-in vitroでは, 分裂指数 (以下M.I.と略す) との関連性は認められなかった。なお悪性腫瘍組織由来の細胞では, SDH, MDH活性はNC-in vitroに比べ減弱し, 特にSDHは顕著であった。LDH活性はNC-in vitroではその増殖能の推移とは相関を示さず, TC-in vitroにおいてもM.I.との関連性は認められなかった。NC-in vitroに比べTC-in vitroでLDH活性が増強するような傾向は認められなかった。Phosphorylase活性はTC-in vivoで必ず認められるということはなく, TC-in vitroにおいても, M.I.が高い値を示す症例でも認められないものもあった。glycogen顆粒は扁平上皮癌組織in vitroで認められた症例もあったが, 他のTC-in vitroではなかった。G-6-PDH活性はNC-in vitroに比べTC-in vitroでは高い傾向を示したが, 増殖能との関連性は認められなかった。NC-in vitroにおけるAc-p活性の経日的推移では, 移植組織片に近いほど, そのピークが遅くなった。Al-p活性はin vitroにおいて多形性腺腫, 腺様嚢胞癌各1例に認められた。in vitroの線維芽様細胞は, 正常間質由来のものと腫瘍間質由来のものとに大差なかった。しかしin vivo中にはないAl-p, SDH, G-6-PDH活性が認められた。粘表皮腫の粘液細胞はin vivoにおいてエネルギー代謝系の酵素活性をほとんど持っていないがin vitro中にも出現し, 経日的にその扁平上皮様細胞に対する比率が増加した。

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Method / approach

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Main findings

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Limitations

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Applications

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初代組織片培養を応用し, ヒト口蓋裂縁部粘膜上皮由来の増殖能を有する初代培養細胞 (以下NC-in vitroと略す) を対照とし, 同じ増殖の場で腫瘍組織由来の初代培養細胞 (以下TC-in vitroと略す) を酵素組織化学的に比較検索し, 腫瘍の自律性増殖を担うと考えられているTC-in vitroについて, その増殖における酵素組織化学的特徴の解明を目指して検索し, 以下の結果を得た。研究材料としては口蓋裂患者20症例の口蓋形成手術時に切除された裂縁部粘膜と, 腫瘍患者28症例の手術摘出物, 試験切除片より得られた新鮮腫瘍組織を用いた。腫瘍症例の内訳は, 多形性腺腫8例, エナメル上皮腫7例, 扁平上皮癌10例, 粘表皮腫2例, 腺様嚢胞癌1例であった。培養法は直接カバーグラス法により, 培養液は20%仔牛血清を添加したEagle MEMを用い, 37℃のCO2培養器にて培養を行った。なお一部は8μの凍結切片にしてin vivoの観察に供した。NC-in vitroは培養開始4日目頃より15日目頃まで経日的に組織化学的検索を行ったが, TC-in vitroは遊出開始8日目頃に検索を行った。NC-in vitroではSDH, MDH活性の経日的推移はその増殖能の推移と相関していたが, TC-in vitroでは, 分裂指数 (以下M.I.と略す) との関連性は認められなかった。なお悪性腫瘍組織由来の細胞では, SDH, MDH活性はNC-in vitroに比べ減弱し, 特にSDHは顕著であった。LDH活性はNC-in vitroではその増殖能の推移とは相関を示さず, TC-in vitroにおいてもM.I.との関連性は認められなかった。NC-in vitroに比べTC-in vitroでLDH活性が増強するような傾向は認められなかった。Phosphorylase活性はTC-in vivoで必ず認められるということはなく, TC-in vitroにおいても, M.I.が高い値を示す症例でも認められないものもあった。glycogen顆粒は扁平上皮癌組織in vitroで認められた症例もあったが, 他のTC-in vitroではなかった。G-6-PDH活性はNC-in vitroに比べTC-in vitroでは高い傾向を示したが, 増殖能との関連性は認められなかった。NC-in vitroにおけるAc-p活性の経日的推移では, 移植組織片に近いほど, そのピークが遅くなった。Al-p活性はin vitroにおいて多形性腺腫, 腺様嚢胞癌各1例に認められた。in vitroの線維芽様細胞は, 正常間質由来のものと腫瘍間質由来のものとに大差なかった。しかしin vivo中にはないAl-p, SDH, G-6-PDH活性が認められた。粘表皮腫の粘液細胞はin vivoにおいてエネルギー代謝系の酵素活性をほとんど持っていないがin vitro中にも出現し, 経日的にその扁平上皮様細胞に対する比率が増加した。

Key concepts: In vitro, In vivo, Biology, Chemistry, Molecular biology, Biochemistry, Biotechnology

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