Toshitaka Nagao, Yoshinori Koyama, Kiyotaka Onodera, Akira Asoh, Fumio HORIUCHI, Yasuo Ishida, Isamu Sugano
Abstract
背景:近年, 唾液腺腫瘍の術前診断において穿刺吸引細胞診は, その正診率の高さから広く受け入れられており, 重要性がますます高まってきている. しかし, まれな疾患に関しては依然として満足できる様な正診率は得られていないのが現状であろうと思われる. 現在, 唾液腺腫瘍の組織診ならびに細胞診は, WHO分類 (第2版) に基づいて行われているが, そこには多数の頻度的にかなり低い疾患が含まれている. 一搬的な唾液腺腫瘍の細胞診に関する解説書は多くみられるが, この様なまれな疾患についてはほとんど取り扱われていない.目的:本稿では, まれな唾液腺腫瘍の内, 組織学的あるいは細胞学的に特徴のある疾患 (良性では, 基底細胞腺腫, 筋上皮腫, オンコサイトーマ, 悪性では, 基底細胞腺癌, 悪性筋上皮腫, 上皮一筋上皮性癌, 唾液導管癌, 未分化癌) について, 自験例を提示しながらその疾患概念と臨床的特徴, 組織像, および細胞像の総説的な解説を行った.結論:実際の唾液腺腫瘍の細胞診を行うにあたっては, 個々の疾患の特徴となる臨床像と組織像を把握し, 細胞像からどこまで組織像を類推できるかが重要な診断の鍵になると思われる.