A study on thyroid function in patients on chronic dialysis.
Masahumi Kikkawa, Issei Tanaka, Naoki Haruta, Takao Hinoi, Tamaki Nakatani, Kazuaki Miyamoto
Abstract
Open-access reader
Masahumi Kikkawa, Issei Tanaka, Naoki Haruta, Takao Hinoi, Tamaki Nakatani, Kazuaki Miyamoto
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慢性透析患者63例について, 甲状腺機能を中心に検討した. これらの原疾患は, 慢性糸球体腎炎 (CGN) が35例, 糖尿病 (DM) が18例, その他10例であった. 透析方法では, 血液透析53例, CAPD10例であった. これらの症例に, 自覚症状アンケート調査, および血中F-T3, F-T4, TSH, T-T3, T-T4, TBG濃度, サイログロブリン抗体, マイクロゾーム抗体を測定した. 上記以外の慢性透析患者数例に甲状腺製剤を投与し, 血中甲状腺ホルモン濃度の推移を観察した.自覚症状は, 甲状腺機能低下症類似の症状が多かった. 抗甲状腺抗体は, 61例が陰性で, 慢性甲状腺炎の合併は否定された. 全例の血中甲状腺ホルモンは, F-T3値1.6±0.7pg/ml, F-T4値0.55±0.26ng/dlと正常値より著明な低値を示し, これらの慢性透析患者は, 甲状腺機能低下状態にあることが示唆された. 一方, TSH値は, 10.81±33.2μU/mlと正常値より高い傾向にあり, しかも広範なバラツキを示した. そこで, このバラツキの原因について検討した. TSH正常群と高値群で比較検討すると, 後者にDM患者が有意に (p<0.05) 多く含まれていた. またCGN群とDM群で比較検討すると, F-T3値1.7±0.7 vs 1.2±0.7pg/ml (p<0.05), F-T4値0.6±0.3 vs 0.4±0.2ng/dl (p<0.005) とDM患者ではF-T3, F-T4が有意に低く, 逆にTSH値は, 3.1±2.3 vs 30.5±58.6μU/ml (p<0.01) とDM患者で有意に高いことが判明した. このように, 慢性透析患者の甲状腺機能低下状態の中で, DM症例は, 特殊なホルモン動態を示すことが推測された.甲状腺機能低下状態にある血液透析患者4例について, 甲状腺製剤投薬後2か月間の血中甲状腺ホルモン濃度の推移を比較検討したところ, チラージンS®では生理活性を有する血中F-T3濃度の上昇が悪く, 乾燥甲状腺末投与の方がより適当で, 効果的と考察された.
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慢性透析患者63例について, 甲状腺機能を中心に検討した. これらの原疾患は, 慢性糸球体腎炎 (CGN) が35例, 糖尿病 (DM) が18例, その他10例であった. 透析方法では, 血液透析53例, CAPD10例であった. これらの症例に, 自覚症状アンケート調査, および血中F-T3, F-T4, TSH, T-T3, T-T4, TBG濃度, サイログロブリン抗体, マイクロゾーム抗体を測定した. 上記以外の慢性透析患者数例に甲状腺製剤を投与し, 血中甲状腺ホルモン濃度の推移を観察した.自覚症状は, 甲状腺機能低下症類似の症状が多かった. 抗甲状腺抗体は, 61例が陰性で, 慢性甲状腺炎の合併は否定された. 全例の血中甲状腺ホルモンは, F-T3値1.6±0.7pg/ml, F-T4値0.55±0.26ng/dlと正常値より著明な低値を示し, これらの慢性透析患者は, 甲状腺機能低下状態にあることが示唆された. 一方, TSH値は, 10.81±33.2μU/mlと正常値より高い傾向にあり, しかも広範なバラツキを示した. そこで, このバラツキの原因について検討した. TSH正常群と高値群で比較検討すると, 後者にDM患者が有意に (p<0.05) 多く含まれていた. またCGN群とDM群で比較検討すると, F-T3値1.7±0.7 vs 1.2±0.7pg/ml (p<0.05), F-T4値0.6±0.3 vs 0.4±0.2ng/dl (p<0.005) とDM患者ではF-T3, F-T4が有意に低く, 逆にTSH値は, 3.1±2.3 vs 30.5±58.6μU/ml (p<0.01) とDM患者で有意に高いことが判明した. このように, 慢性透析患者の甲状腺機能低下状態の中で, DM症例は, 特殊なホルモン動態を示すことが推測された.甲状腺機能低下状態にある血液透析患者4例について, 甲状腺製剤投薬後2か月間の血中甲状腺ホルモン濃度の推移を比較検討したところ, チラージンS®では生理活性を有する血中F-T3濃度の上昇が悪く, 乾燥甲状腺末投与の方がより適当で, 効果的と考察された.
Key concepts: Medicine, Internal medicine, Thyroid function, Endocrinology, Gastroenterology, Thyroid